対人支援の場においては、さまざまな研修の機会がありますが、カウンセリングの実際のやりとりを見る機会はあまりありません。今回は、本研修会の参加者の中から1名有志を募り、クライアント役になってもらい、デモセッションをします。クライアント役は何らかの役に就くのではなく、ご自身の話をしてもらいます。
カウンセラー役は、ナラティヴ・セラピーを専門にしていますので、この影響を多分に受けたものとはなりますが、ナラティヴ・セラピーの技法を見せるためのデモンストレーションではありません。ナラティヴ・セラピーの姿勢を維持しながら、相手の語りに寄り添っていきたいと考えています。
本研修では、個人的なことが話されます。参加にあたっては、個人的なことを絶対に外に持ち出さないことが求められます。
国重 浩一(くにしげ・こういち)
1964年、東京都墨田区生まれ。ニュージーランド、ワイカト大学カウンセリング大学院修了。臨床心理士、ニュージーランド、カウンセラー協会員。鹿児島県スクールカウンセラー、東日本大震災時の宮城県緊急派遣力ウンセラーなどを経て、2013年からニュージーランドに在住。同年に移民や難民に対する心理援助を提供するための現地NPO法人ダイバーシティ・カウンセリング・ニュージーランドを立ち上げる。2019年には東京に一般社団法人ナラティヴ実践協働研究センターの立ち上げに参加。著書に、『ナラティヴ・セラピーの会話術』、『震災被災地で心理援助職に何ができるのか?』、『どもる子どもとの対話』など。訳書に、『ナラティヴ・アプローチの理論から実践まで』、『ナラティヴ・メデイエーション』、『心理援助職のためのスーパービジョン』『カップル・カウンセリング入門』など。