OFFICIAL SYMPOSIUM 4
大会企画シンポジウムⅣ
人的資本経営に活かすキャリア・カウンセリング
健康経営、ダイバーシティ、従業員エンゲージメントの視点から
人的資本経営とは、人材を「コスト」ではなく「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出し企業価値向上につなげる経営のあり方です。デジタル化の進展による社会構造の変化、それに伴う個人のキャリア観の変化など、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。企業が事業環境の変化に対応しながら、持続的に企業価値を高めていくためには、経営戦略と適合的な人材戦略が重要となります。このシンポジウムでは、人的資本経営の中でも近年注目を集める「健康経営」「ダイバーシティ」「従業員エンゲージメント」の視点から、最新の学術的知見と実践事例を3名の専門家からお話を頂きます。その後、指定討論者とのディスカッションを通じて議論を深めたいと思います。
シンポジスト
松本 桂樹(まつもと・けいき)
株式会社ジャパンEAPシステムズ 取締役
東京学芸大学大学院修了。都内の精神科クリニックにて常勤の心理職として勤務した後、日本初のEAP専門会社であるジャパンEAPシステムズの起ち上げに関わる。日本におけるEAPのパイオニアであり、現在も主に勤労者の相談を数多く受けている。
臨床心理士・1級キャリアコンサルティング技能士・健康経営エキスパートアドバイザーの資格を有し、神奈川大学人間科学部特任教授。主な著書に「部下が病気にならないできる上司の技術」(WAVE出版)、「上司と部下のメンタルヘルス・マネジメント対策」(税務研究会)等がある。
安達 智子(あだち・ともこ)
大阪教育大学教授
早稲田大学教育学研究科博士後期課程修了(博士(教育学))
心理学をベースとして、キャリア選択のための支援ツールの開発、自己効力に着目した支援と介入、ジェンダーにとらわれない生き方/働き方の見つけ方、ステレオタイプの形成とその作用などを主たる研究領域としている。最近では、「空気をヨム」ことの功罪についても関心をもち研究を行っている。
主な著書:『自分と社会からキャリアを考える』(単著)、『キャリア・コンストラクションワークブック』(共編著)
山本 寛(やまもと・ひろし)
青山学院大学経営学部教授
人的資源管理論・キャリアデザイン論担当。博士(経営学)。メルボルン大学客員研究員歴任。働く人のキャリアとそれに関わる組織のマネジメントが専門。
著書(単著)として、『連鎖退職』、『なぜ、御社は若手が辞めるのか』、『「中だるみ社員」の罠』(以上日経BP社)、『人材定着のマネジメント』(中央経済社)、『自分のキャリアを磨く方法』、『転職とキャリアの研究[改訂版]』、『働く人のためのエンプロイアビリティ』、『昇進の研究[増補改訂版]』(以上創成社)がある。著書(編著)として『働く人のキャリアの停滞』(創成社)がある。研究室ホームページhttp://yamamoto-lab.jp/
指定討論者
石山 恒貴(いしやま・のぶたか)
法政大学大学院政策創造研究科教授
博士(政策学)。NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事、産業・組織心理学会理事、人事実践科学会議共同代表、フリーランス協会アドバイザリーボード、専門社会調査士等。
主な著書:『越境学習入門』(共著)、『日本企業のタレントマネジメント』、『地域とゆるくつながろう!』(編著)、『越境的学習のメカニズム』
主な論文:Role of knowledge brokers in communities of practice in Japan, Journal of Knowledge Management, Vol.20,No.6,2016.
主な受賞:経営行動科学学会優秀研究賞(JAASアワード)(2020)、人材育成学会論文賞(2018)等
司会
古田 克利(ふるた・かつとし)
立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科准教授。
大学卒業後、富士通株式会社に入社。その後、株式会社松下情報システムテクノロジー(現 パナソニックシステムデザイン株式会社)にて、システムエンジニア、経営企画課長、人事課長。2011年より関西外国語大学特任講師、2016年 同専任講師、2018年 同准教授。2020年より現職。博士(技術・革新的経営)。日本キャリア・カウンセリング学会副会長、経営行動科学学会理事、同志社大学STEM人材研究センター研究員等を兼任。主な著書:『キャリアデザイン入門』『IT技術者の能力限界の研究』他。