OFFICIAL SYMPOSIUM 3

大会企画シンポジウムⅢ

スーパービジョン再考

本学会におけるSV養成訓練の取組と展望

2009年2月にスタートした本学会のスーパーバイザー養成訓練は、その後13年余りの間にSV養成訓練プログラムを確立し、適切なスーパービジョンが提供できるスーパーバイザーの養成と、スーパーバイザー訓練生のスーパービジョンを担当するスーパービジョン・メンターの育成に取り組んできました。

シンポジウムでは、本学会のSV養成訓練の基礎となるスーパービジョン・モデルの本質と構造を紹介した後に、スーパーバイザー訓練生、認定スーパーバイザー、スーパービジョン・メンターの3人に、自らの体験を通してスーパービジョンの真髄と魅力を率直に語っていただき、本学会のSV養成訓練の成果と課題を踏まえて、今後の展望について議論したいと考えています。

キャリア・カウンセリングの実践者の発達と自律を促進するために最も効果的な方法がスーパービジョンです。「スーパービジョンをもっと身近に―スーパービジョン、さあ行こう!」を合言葉に、スーパービジョンの普及と本学会のSV養成訓練に取り組みます。

シンポジスト

星野 宏(ほしの・ひろし)
キャリアサポートオフィスprocess代表
1981年三重県出身。1級キャリアコンサルティング技能士、公認心理師。
メーカーでの生産管理・物流管理を経て人事に転職。2012年に独立後、キャリアコンサルタントとして教育機関を中心に活動。現在は、高等学校での専属キャリアコンサルタント、大学ではキャリア系科目非常勤講師や、地域連携コーディネーターとして、法人や自治体と協働した地域課題を解決するインターンシップの企画運営等に携わっている。日本キャリア・カウンセリング学会SV養成講座第8期を修了。現在は、認定スーパーバイザーに向けてメンタリング制度で研鑽を積んでいる。

棟居 秀信(むねすえ・ひでのぶ)
一般社団法人カウンセリング・レビュー・ラボ 代表理事
福岡市就労支援等事業 ※契約スーパーバイザー。パナソニックEW創研㈱上席講師。
大学卒業後、松下電工㈱(現パナソニック(株))に入社。平成22年11月57歳で同社を早期退職。平成23年1月より福岡市就労支援事業(生活保護受給者対象のキャリア・カウンセリング)に就労カウンセラーとして従事、平成31年3月定年退職。この間、日本キャリア・カウンセリング学会主催、スーパーバイザー養成講座(第4期)を受講ののち、令和3年6月学会認定スーパーバイザー取得。同年10月から福岡市就労支援事業スーパーバイザー。学習経歴 産業カウンセラー、1級キャリアコンサルティング技能士、同学会メンター訓練候補生研修受講中。

濵田 多美代(はまだ・たみよ)
たみこころの相談室 代表
「たみこころの相談室」主宰のかたわら、自治体健康相談室及び医療保健センターのカウンセラーとして勤務。学会スーパーバイザー養成講座メンター及び協会スーパーバイザーとして担当。特に現場で働く人の支援のカウンセラー・キャリアコンサルタントのカウンセリング及びスーパービジョン多数担当。
カウンセラー・講師歴35年。スーパーバイザー歴15年。
(一社)日本産業カウンセラ―養成講座指導歴30年、シニア育成講座講師歴10数年。
(一社)日本キャリア・カウンセリング学会、認定スーパーバイザー及びスーパービジョンメンター
旧労働省認定中級産業カウンセラー(現シニア産業カウンセラー)
産業カウンセラー・スーパーバイザー
(一社)日本産業カウンセラー協会 元副会長。同協会関西支部、元支部長
実践『職場で使えるカウンセリング』誠信書房 第6章 Ⅱ執筆

コーディネーター

三川 俊樹(みかわ・としき)
追手門学院大学心理学部教授
1986年3月大阪大学人間科学研究科博士前期課程修了(学術修士)。1987年4月追手門学院大学文学部助手。講師、助教授を経て、2004年4月人間学部教授、2006年4月心理学部教授、現在に至る。専攻はカウンセリング心理学。2009年から日本産業カウンセリング学会のスーパーバイザー養成に取り組み、スーパーバイザーおよびスーパーバイザーの指導者(スーパービジョンメンター)の訓練に携わってきた。現在は日本キャリア・カウンセリング学会SV委員長としてその役割を担っている。論文に「スーパービジョンとメンタリングの構造に関する一考察 ⑴・⑵」(追手門学院大学心理学部紀要,第15・16巻)などがある。2020年度には、厚生労働省の委託事業「キャリアコンサルタントの資質の向上に資する環境整備に関する調査研究」において、キャリアコンサルティングにおけるスーパービジョンについて提言を行った。