基調講演
カウンセリング再考
支援者としての実践と研究、個と組織
キャリアコンサルタントの質的向上とスーパーヴィジョンの必要性
学会名誉会長 キャリア心理学研究所代表 臨床心理士 宮城 まり子
厚労省はキャリアコンサルタント10万人計画を立案し施策を推進してきました。令和3年版厚生労働白書によれば、キャリアコンサルタントの数は現在約89,000人(国家資格キャリアコンサルタントと技能士の総計)に達しています。2024年までに当初目標とした10万人計画が達成されると考えられています。しかし、量的にキャリアコンサルタントが多数育成されたとしても、果たして個々の質的側面は十分でしょうか。
キャリアコンサルタントによるキャリア支援は、時にはクライアントの人生を左右する責任の重い大切な仕事です。したがって、キャリア支援者は資格取得以降も継続的に絶えず自己研鑽を行い、担当事例のスーパーヴィジョンを受け、自己のキャリア支援を振り返るなど、質的向上努力を絶えず行うことが欠かせません。この講演では、キャリアコンサルタントのさらなる質的向上とスーパーヴィジョンの必要性を取り上げ、皆様とご一緒にキャリアコンサルタントの質的向上について考えたいと思っています。
宮城 まり子(みやぎ・まりこ)
学会名誉会長 キャリア心理学研究所代表 臨床心理士
早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修士課程修了、立正大学心理学部臨床心理学科教授、法政大学キャリアデザイン学部教授、法政大学大学院キャリアデザイン学研究科教授を経て現在に至る。専門は、産業臨床心理学、キャリア心理学、キャリアカウンセリング。キャリアとメンタルの統合的支援、キャリアカウンセラーの養成、キャリアカウンセリングのスーパービジョン、企業おけるキャリア開発支援などに長く携わっている。