ニューロダイバーシティという言葉をご存じでしょうか?
この言葉はニューロ(脳・神経)とダイバーシティ(多様性)を組み合わせた造語で、人の脳や神経由来の多様性を尊重するメッセージが込められています。もともとは1990年代に自閉スペクトラム症の成人当事者たちが生み出し、社会運動の中で育まれてきた経緯があります。日本においても、2022年に経済産業省のWebサイトに「ニューロダイバーシティの推進について」というページが作られるなど、特に発達障害者の雇用の文脈において認知が広まりつつあります。
しかしながら本来この言葉が意味するところは、発達障害者という限られた人たちだけの話ではなく、あらゆる人が自分事として考えるべきテーマです。キャリアカウンセリングの基礎リテラシーの1つとなるべき概念だと思います。本公演では、そんなニューロダイバーシティに関する基礎知識を分かりやすくお伝えします。
村中 直人(むらなか・なおと)
Neurodiversity at Work 株式会社 代表取締役
臨床心理士・公認心理師
人の神経学的な多様性に着目し、脳・神経由来の異文化相互理解の促進、および働き方、学び方の多様性が尊重される社会の実現を目指して活動。2008年から多様なニーズのある子どもたちが学び方を学ぶための学習支援事業「あすはな先生」の立ち上げと運営に携わり、その後「発達障害サポーター’sスクール」での支援者育成にも力を入れている。現在は企業向けに日本型ニューロダイバーシティの実践サポートを積極的に行っている。