本シンポジウムでは、今大会のテーマに対する答えを探っていきます。すなわち、「キャリア×カウンセリング」が「社会インフラ」として機能するために、我々キャリア支援の「プロフェッショナル」が何をすべきなのか、そのためにはどのようなことを研鑽していけばよいのか、そして、どのようにすれば自らの限界を突破し、ふかめ・ひろげることができるのかについて意見交換をします。そのために、初日からの大会企画シンポジウムで意見交換された内容、および、ブルスティン教授の特別講演の内容などを踏まえ、それぞれの企画者、司会者が感じたこと、気づいたことなどを、宮城まり子先生を交えて、様々な視点から語り合います。そして、本学会として、個人、組織、および、社会に対して、具体的にどのような関わりをすべきかについて見解を集約し、クロージングセッションにおける今大会の「宣言」へとつなげていきます。

シンポジスト

宮城　まり子（みやぎ・まりこ）
本学会名誉会長、キャリア心理学研究所 代表
臨床心理士。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修士課程修了、立正大学心理学部臨床心理学科教授、法政大学キャリアデザイン学部教授、法政大学大学院キャリアデザイン学研究科教授を経て現在に至る。専門は、産業臨床心理学、キャリア心理学、キャリアカウンセリング。キャリアとメンタルの統合的支援、キャリアカウンセラーの養成、キャリアカウンセリングのスーパービジョン、企業おけるキャリア開発支援などに長く携わっている。

浅野　浩美（あさの・ひろみ）
事業創造大学院大学 教授
筑波大院修了。修士（経営学）、博士（システムズ・マネジメント）。厚生労働省で、キャリア形成支援室長としてキャリアコンサルティングの普及、首席職業指導官としてハローワーク指導にあたったほか、労働局長として働き方改革を推進。『キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング』労務行政（2022年）、『日本キャリアカウンセリング史 正しい理解と実践のために』共著、実業之日本社（2024年）。国家資格キャリアコンサルタント、1級キャリアコンサルティング技能士、産業カウンセラー、社会保険労務士、日本キャリアデザイン学会専務理事、日本キャリア・カウンセリング学会編集委員。

道谷　里英（みちたに・りえ）
順天堂大学 国際教養学部　先任准教授
筑波大学大学院人間総合科学研究科生涯発達科学専攻を修了し、博士（カウンセリング科学）取得。人事サービス専門会社にて営業やコンサルティング業務に従事後、民間企業で人事部門のマネジャーやキャリアカウンセラーに従事。筑波大学キャリア支援室准教授、文京学院大学経営学部准教授を経て、現職。Boston College 客員研究員（2025年4月～9月）。
著書に『キャリアを支えるカウンセリングー組織内カウンセリングの理論と実践』（ナカニシヤ出版・単著）、『新版キャリアの心理学 第2版』（ナカニシヤ出版・共著）、『キャリアを超えてワーキング心理学―働くことへの心理学的アプローチ』（白桃書房・共訳）など。

司会

馬場　洋介（ばば・ひろすけ）
帝京平成大学大学院 臨床心理学研究科　教授
株式会社リクルートでメンタルヘルス担当、株式会社リクルートキャリアコンサルティングで再就職支援のキャリアカウンセラーとして精神障害者等の就労支援に携わる。現在、産業心理職の育成をしながら、医療法人社団平成医会 平成かぐらクリニック リワーク統括責任者として、キャリアとメンタルヘルスを統合した職場復帰支援に従事。
学会活動：一般社団法人日本キャリア・カウンセリング学会会長
著書：『キャリア心理学　ライフデザイン・ワークブック』（共著 ナカニシヤ出版2018）、『心理職の専門性20-公認心理師の職責-』第9章：産業・労働分野における心理専門職のはたらき（執筆担当）（共著 NHK出版2020）。

高橋　浩（たかはし・ひろし）
ユースキャリア研究所 代表
日本キャリア開発協会 理事。博士（心理学）・キャリアコンサルタント・公認心理師。法政大学大学院／目白大学大学院 講師。1987年、弘前大学教育学部卒業後、NEC グループの半導体設計会社に24年間勤務し、エンジニア、品質管理、経営企画、キャリアアドバイザーに従事。1996 年から心理学やカウンセリングを学び、2001 年ＣＤＡ、2012 年博士号を取得。2012年、ユースキャリア研究所を開設。現在、行政・大手企業でのキャリア支援の実践とともに、キャリア関連の調査研究も行っている。著書『セルフ・キャリアドック入門』、『実践コミュニティアプローチ』『改訂版社会人のための産業・組織心理学』、他多数。