シンポジスト | 下村 英雄 | 労働政策研究・研修機構 |
水野 みち | 株式会社日本マンパワー | |
高橋 浩 | ユースキャリア研究所 | |
司会 | 馬場 洋介 | 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 |
「キャリア×カウンセリング」が社会インフラとして機能するには、支援が日常的に届きにくい現状や、あるいは特定の人のみに届けられるような現状を乗り越える必要があります。本シンポジウムでは、こうしたギャップに向き合い、支援のあり方を根本から問い直してきます。「社会正義」は、すべての人が公正に機会や資源にアクセスできることを保障しようとする理念。「多様性」は、性別・年齢・文化・価値観などの違いを前提とし、それらを尊重する視点。「コミュニティ心理学」は、個人だけでなく地域・組織といった共同体への支援や介入を重視する実践的心理学です。社会正義の視点から下村英雄氏、多様性の観点から水野みち氏、コミュニティ心理学の立場から高橋浩氏が登壇し、3つの視点から支援者の姿勢や社会との関わり方、具体的な支援方法などについて多角的に語り合います。支援者の視座を上げ思考の枠組みを拡大するヒントを共有していきます。
下村 英雄(しもむら・ひでお)
労働政策研究・研修機構 統括研究員
筑波大学大学院博士課程心理学研究科修了。博士(心理学)。キャリア心理学専攻。東京成徳大学大学院講師、厚生労働省職業能力開発専門調査員、社会正義のキャリア支援研究会顧問。日本キャリア教育学会元会長。日本キャリア・カウンセリング学会元監事。主著に『キャリアコンサルティング理論と実際6訂版』(雇用問題研究会)、『社会正義のキャリア支援』(図書文化社)、『成人キャリア発達とキャリアガイダンス-成人キャリア・コンサルティングの理論的・実践的・政策的基盤』(労働政策研究・研修機構、平成26年度労働関係図書優秀賞受賞)他。国家資格キャリアコンサルタント、1級キャリアコンサルティング技能士。
水野 みち(みずの・みち)
株式会社日本マンパワー 本部長・フェロー
株式会社日本マンパワーキャリアドック事業本部本部長、フェロー、キャリアのこれから研究所所長、日本キャリア開発協会スーパーバイザー、ペンシルバニア州立大学教育学修士(カウンセラー教育)。キャリアカウンセラー養成講座の立ち上げに従事した後、企業内のキャリア開発・DEI・キャリアコンサルタントの活躍支援に携わる。共著『IDGs変容する組織』。
高橋 浩(たかはし・ひろし)
ユースキャリア研究所 代表
日本キャリア開発協会 理事。博士(心理学)・キャリアコンサルタント・公認心理師。法政大学大学院/目白大学大学院 講師。1987年、弘前大学教育学部卒業後、NEC グループの半導体設計会社に24年間勤務し、エンジニア、品質管理、経営企画、キャリアアドバイザーに従事。1996 年から心理学やカウンセリングを学び、2001 年CDA、2012 年博士号を取得。2012年、ユースキャリア研究所を開設。現在、行政・大手企業でのキャリア支援の実践とともに、キャリア関連の調査研究も行っている。著書『セルフ・キャリアドック入門』、『実践コミュニティアプローチ』『改訂版社会人のための産業・組織心理学』、他多数。
馬場 洋介(ばば・ひろすけ)
帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
株式会社リクルートでメンタルヘルス担当、株式会社リクルートキャリアコンサルティングで再就職支援のキャリアカウンセラーとして精神障害者等の就労支援に携わる。現在、産業心理職の育成をしながら、医療法人社団平成医会 平成かぐらクリニック リワーク統括責任者として、キャリアとメンタルヘルスを統合した職場復帰支援に従事。
学会活動:一般社団法人日本キャリア・カウンセリング学会会長
著書:『キャリア心理学 ライフデザイン・ワークブック』(共著 ナカニシヤ出版2018)、『心理職の専門性20-公認心理師の職責-』第9章:産業・労働分野における心理専門職のはたらき(執筆担当)(共著 NHK出版2020)。