社会インフラとしてのキャリア×カウンセリング

~プロフェッショナルとしての限界突破・ふかめ・ひろげる~
> 開催にあたって
2025-06-17更新

第30回記念大会の開催にあたって

大会委員長 高橋 浩 ・ 馬場洋介

高橋浩

このたび、2025年11月22日(土)・23日(日)に、日本キャリア・カウンセリング学会は第30回という大きな節目を迎える記念大会を開催することになりました。

今年度の大会テーマは、

  「社会インフラとしてのキャリア×カウンセリング
   ~プロフェッショナルとしての限界突破・ふかめ・ひろげる~」

です。

本学会がこのテーマを掲げた背景には、「キャリア」と「カウンセリング」をめぐる現代的課題への強い問題意識があります。

いま、私たちが支援の対象とする「キャリア」は、単なる職業選択や就業支援を超え、個人の生き方や社会的役割までも含む、広い概念として定義されています。

一方で、それを支える「カウンセリング」は、単なる手法や技法ではなく、多様な価値観や社会的背景を尊重した柔軟な対話の姿勢として、より深化した関わりと展開が求められています。

私たちは、既に支援対象を「産業」から「キャリア」と拡大してきましたが、「カウンセリング」という支援の在り方についてもより深めていくと同時に、広く展開していく必要性を感じています。そのような知的・実践的な探究の場を、多様な立場の皆さまと共に創出したいと考えています。

本学会は、キャリア支援やカウンセリングに携わるすべての実践者、研究者、教育者、そして支援を志す皆さまにひらかれた場です。

日本キャリア・カウンセリング学会の会員であるかどうかに関わらず、企業・教育・医療・福祉・地域・行政など、さまざまな現場で人の成長や自立を支えている皆さまにも、ぜひご参加いただきたいと願っております。

今回の第30回記念大会では、国際的に高名な「ブルスティン先生」の特別記念講演(オンライン)をはじめ、「廣川進先生」の基調講演、4つの大会企画シンポジウム、研究発表・実践発表・学位研究発表、委員会企画、研修会、現地企画といった多彩なプログラムをご用意しております。

理論と実践の往還、日常と非日常の交差、専門領域を超えた対話の可能性を体感できる、濃密な時間になるはずです。現場での支援に日々向き合う皆さまにとっても、明日からの仕事や実践に活きる視点と刺激を得られる機会になると思います。

さらに本大会では、学会としての新たな「宣言」を発信いたします。

これは、支援の現場に立つ私たちが、これからの社会に対してどのような姿勢を持ち、どのような価値を届けていくのか――その決意を形にするものです。内容については2日目のクロージングセッションで発表いたします。どうぞ楽しみにお待ちください。

30年の歩みを振り返りつつ、次の時代に向けたまなざしを共有する。

キャリアという人間の営みと、カウンセリングという支援のかたちを見つめ直すこの2日間が、皆さまにとって、領域や立場越えて「つながる・学ぶ・考える」場となれば、これほど嬉しいことはありません。

皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。

一般社団法人日本キャリア・カウンセリング学会 副会長
高橋 浩(ユースキャリア研究所)

一般社団法人日本キャリア・カウンセリング学会 会長
馬場 洋介(帝京平成大学大学院)