OFFICIAL SYMPOSIUM 2

大会企画シンポジウムⅡ

多職種連携の実際問題、他職種は何を見ている?何を気にする?

「多職種連携は重要だ、大切だ」、とはよく言われています。しかし、私たちカウンセラー/キャリアコンサルタントが活動する職域はさまざまです。それぞれに連携する専門職もステークホルダーも違います。専門性や職域におけるロールが違えば物事の見え方も違います。私たちが私たちの専門性で良かれと判断したアクションが、他の専門性や職域のロールから見ると邪魔で余計に見える場合もあります。その中で、私たちがどのように連携を考える必要があるのか、不明確なのが現状です。そこで、ここでは医療、企業、教育の各職域に詳しい方々のお話から、私たちカウンセラー/キャリアコンサルタントがどう在るべきか、考えるヒントをいただきましょう。

企業内における連携:人事、上長、産業保健スタッフなど企業内での多職種連携の視点を学ぶ

学生相談における多職種連携:キャリア支援担当と教務事務員、教員、お互いにどう見ているのか学ぶ

シンポジスト

小川耕平

小川 耕平(おがわ・こうへい)
目黒駅前メンタルクリニック 院長
専修大学・同大学院 兼任講師、青山学院大学 非常勤講師
精神科医、産業医。博士(医学)、国家資格キャリアコンサルタント
福島県立医科大学卒業、日本医科大学大学院修了。
専門:精神薬理学・司法精神医学・産業精神保健学
大学病院勤務、市中病院での精神科救急医療従事を経て、平成30年から現職。医療機関で医療従事者とキャリアコンサルタントの協働での復職支援・就労支援のプログラムを体系的に始めるなど、働く人のメンタルヘルスや障がい者雇用に関する様々な社会的課題の解決を目指した多面的な多職種連携によるアプローチを実践するほか、産業医や司法精神医学の活動も行っている。

平井みどり

平井 みどり(ひらい・みどり)
神戸大学名誉教授 前兵庫県赤十字血液センター所長
兵庫県生まれ、薬学部卒業後、医学部に入学、在学中に娘二人出産し10年かかって卒業。医師・薬剤師。大学院修了後は指導教授の勧めに従い、薬学研究に従事。大学病院の薬剤部を経て神戸薬科大学にて教育・研究に従事。2007年より神戸大学医学部附属病院教授・薬剤部長として、教育・研究及び薬剤師の職能拡大、多職種連携に取り組む。2017年に大学を定年退職後、2018年〜2022年まで兵庫県赤十字血液センター所長。血液センター退職後は献血の健診を行う傍ら、がん専門病院での患者傾聴外来に従事。地域住民の健康増進活動にも取り組む。

長野晋

長野 晋(ながの・すすむ)
SMBCコンサルティング株式会社
大学卒業後金融機関に就職。20年余り営業現場で勤務。その後、お客さま相談室へ異動し、8年間勤務。お客さま対応に役立てるために心理学に興味を持つ。また、管理職としてマネジメントを学ぶ中でも心理学に対する関心を高めた。高齢者層のお客さま対応について、社内での研修等に関わることが多く、高齢者問題について学び、高齢社会エキスパート資格取得。定年後、グループ内企業に転籍し、自分自身の経験からキャリアデザインの必要性を感じて国家資格キャリアコンサルタント、またシニア層の支援スキルとして産業ジェロントロジーシニアインストラクター等取得。現在はカスタマーハラスメントを防止する活動、シニアの働き方を考える活動、キャリア研修の教材作成等々の活動に参画している。

新免(三浦)玲

新免(三浦)玲 (しんめん(みうら)・れい)
法政大学グローバル教養学部オフィスマネージャー、熊本大学教授システム学研究センター&青山学院 Hicon 研究センター研究員、Earth Career Lab.代表、当学会ブランディング&国際交流委員
国家資格キャリアコンサルタント・公認心理師、教育工学(修士)
アメリカの州立大学卒業後より学生や社会人の雇用支援業務に従事。学校や企業向け英語教育企画、就転職希望者と企業人事向け雇用コンサルティング経験を経て、主に高校生・大学生等若年層の(再)就職キャリア支援事業設計、講師・バイリンガルカウンセラー。複数の大学や附属機関、企業等の外部講師やコンサルタントを務める傍らキャリア教育プログラム開発研究に取り組んでいる。

コーディネーター

杉山 崇(すぎやま・たかし)
神奈川大学人間科学部 教授、神奈川大学心理相談センター 所長
臨床心理士・公認心理師、1級キャリアコンサルティング技能士
1994年より発達障害児の心理支援、精神科、学校/教育委員会、EAP事業所などで心理職を務め、並行して日本学術振興会特別研究員など心理学研究者として活動する。
90年代は脳の病、認知の病とされていたうつ病(depression)の社会要因(対人関係や立場、キャリアなど)の病としての側面を心理科学的に実証。
成果を支援活動に活かすべく、2000年代からキャリア支援へと活動の幅を広げる。
発達障害をワーキングメモリ実行機能と衝動性の特性と再定義し、心理支援・キャリア支援の文脈では自閉症スペクトラム傾向を「認知スタイル」、ADHD傾向を「行動スタイル」と捉えることを提案し、アセスメントツールと支援メソッドの開発に注力している。